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手巻き時計使わない時の保管方法は?寿命を延ばすコツ

手巻き時計使わない時の保管方法は?寿命を延ばすコツ

愛用の手巻き時計、使わない時はどうしていますか?手巻き時計を放置しておくとどうなりますか?毎日巻かないと壊れますか?といった疑問や、腕時計を使わない時は止めるべきかなど、保管方法に悩む方は少なくありません。

結論から言うと、正しい知識で保管すれば、手巻き時計の美しさと精度を長く保つことが可能です。ただし、自動巻き時計を使わない時とは少し勝手が違い、週末だけ、あるいは使う時だけといった使用スタイルに合わせた配慮も必要になります。

また、クォーツ時計を使わない時の注意点とも異なります。この記事では、正しい手巻き時計の巻き方から、腕時計(機械式)を使わない時の最適な環境、気になるオーバーホールの料金、さらには自動巻き時計のワインディングマシーンとの比較、初心者におすすめの手巻き時計まで、あなたの疑問をすべて解決します。

  • 手巻き時計を使わない時の正しい保管方法と環境
  • 長期間放置した場合のリスクと定期的なメンテナンスの重要性
  • 自動巻きやクォーツ時計との保管方法の違い
  • 時計の寿命を延ばすためのオーバーホールの目安と料金

手巻き時計使わない時の基本と放置するリスク

手巻き時計使わない時の基本と放置するリスク

手巻き時計を放置・毎日巻かないとどうなる?

「手巻き時計をしばらく放置してしまった」「毎日巻くのを忘れたけど、壊れたりしない?」と心配になる方も多いかもしれませんね。結論から言うと、数日や数週間程度、あるいは毎日巻かなくてもすぐに壊れることはありません。

しかし、数ヶ月以上の長期間にわたって全く動かさない状態が続くと、時計内部の機械に影響が出る可能性があります。主なリスクは、歯車などの部品をスムーズに動かすための「潤滑油」の劣化です。長期間動かさないでいると、油が固まったり、粘り気が出てしまったりして、部品同士の摩擦が大きくなります。これが精度低下や部品の摩耗を早める原因になるのです。

このため、毎日巻く必要はありませんが、月に1〜2回程度はゼンマイを最後まで巻き上げ、時計を動かしてあげることが推奨されます。これにより、内部の潤滑油が循環し、機械が良いコンディションを保ちやすくなります。長期間の旅行などで難しい場合でも、思い出したら動かしてあげる、という意識を持つことが大切です。

長期間放置してしまった時計を動かす時の注意

もし1年以上など、長期間にわたり放置していた時計を再び使う場合は、いきなりゼンマイを巻くのは少し待ってください。油が固着している状態で無理に動かすと、部品を傷つける恐れがあります。一度、時計修理店などの専門家に相談し、状態をチェックしてもらってから使用を再開するのが最も安心な方法です。

腕時計を使わない時は止めるべきか解説

腕時計を使わない時は止めるべきか解説

腕時計、特に機械式時計を使わない時、「動かし続けた方が良いのか、それとも止めておくべきか」は多くの人が悩むポイントです。これについては、基本的には「止めておいて問題ない」というのが一般的な見解です。

車で例えるなら、エンジンをかけっぱなしにすると部品が摩耗していくのと同じで、時計も動き続けていれば歯車などの部品は少しずつ摩耗していきます。日常的に使う時計であれば、その摩耗も想定内のことですが、コレクションとして保管している時計などを常に動かし続けることは、必ずしも寿命を延ばすことには繋がりません。

前述の通り、月に一度程度、潤滑油を循環させるために動かすことを心がければ、使わない時は自然に止まった状態で保管しておいて大丈夫です。時刻合わせの手間はかかりますが、部品の不要な摩耗を防ぐというメリットがあります。

腕時計(機械式)を使わない時の注意点

手巻き、自動巻きを問わず、機械式時計を使わない時に保管する上で、最も気をつけたいのがその環境です。機械式時計は数百もの精密な金属部品で構成されているため、外部環境の影響を受けやすいのです。以下の3つのポイントは必ず守るようにしましょう。

機械式時計の保管 3大NG

  1. 高温多湿を避ける
    湿気は金属部品のサビや腐食、文字盤や針の劣化の大きな原因となります。また、急激な温度変化はケース内に結露を発生させることも。直射日光が当たる窓際や、湿気の多い洗面所などでの保管は絶対に避けてください。
  2. 磁気を避ける
    機械式時計の心臓部である「ひげゼンマイ」は、磁気の影響を受けると精度が大きく狂ってしまいます。スマートフォン、パソコン、テレビ、バッグの留め金など、磁気を発するものの近くには置かないようにしましょう。
  3. 衝撃・振動を避ける
    落下はもちろんのこと、頻繁な振動も精密な内部機構にダメージを与える可能性があります。安定した場所に保管することが大切です。

これらの条件を満たす場所として、専用の保管ケースに入れて、クローゼットや引き出しの中など、涼しくて暗い場所に保管するのが理想的です。

自動巻き時計を使わない時との違いについて

自動巻き時計を使わない時との違いについて

手巻き時計と自動巻き時計は、どちらもゼンマイで動く機械式時計ですが、使わない時の扱いで少し考え方が異なります。最大の違いは、やはり「ワインディングマシーン」の存在です。

自動巻き時計は、腕の動きでローターが回転し自動でゼンマイが巻き上げられます。このため、使わない時も時計を回転させてゼンマイを巻き続ける「ワインディングマシーン」が有効なアイテムとなります。特に、日付や曜日表示が複雑なカレンダー機構を持つ時計の場合、止まるたびに合わせ直すのが手間なため、ワインディングマシーンで動かし続けるメリットは大きいと言えるでしょう。

一方、手巻き時計はローターを持たないため、ワインディングマシーンに入れても全く意味がありません。手巻き時計のゼンマイを巻く方法は、自分の手でリューズを回すことだけです。

この違いを理解しておくことは、適切な保管方法を選ぶ上で非常に重要です。自動巻き時計は「機械に動かしてもらう」、手巻き時計は「自分で動かしてあげる」という意識を持つと分かりやすいかもしれませんね。

クォーツ時計を使わない時の注意点

ここで、機械式時計とは全く仕組みの異なるクォーツ時計(電池式時計)についても触れておきましょう。クォーツ時計は機械式に比べて非常に丈夫で、保管にそれほど神経質になる必要はありません。

しかし、一つだけ、長期間使わない時に絶対に注意すべき点があります。それは「電池の液漏れ」です。

時計に入れたままの電池が寿命を迎えると、内部の化学物質が漏れ出し、時計の電子回路やムーブメントを腐食させてしまうことがあります。こうなると、電池交換だけでは済まず、高額な修理が必要になったり、最悪の場合は修理不能になったりすることも。

クォーツ時計の長期保管の鉄則

もし、1年以上など長期間にわたってクォーツ時計を使わないことが分かっている場合は、事前に時計店で電池を取り出してもらうのが最も安全で確実な方法です。費用は数百円から千円程度で済みますので、大切な時計を守るための保険と考えて、ぜひ実践してください。

機械式時計とはまた違ったリスクがあることを覚えておきましょう。

手巻き時計使わない時の具体的な対処法と知識

手巻き時計使わない時の具体的な対処法と知識

週末だけ・使う時だけの正しい保管方法

毎日ではなく、週末だけ、あるいは特別な日にだけ手巻き時計を楽しむという方も多いでしょう。そのような使い方の場合、毎回時計が止まっているため、使用するたびにゼンマイを巻き、時刻を合わせるのが基本のルーティンになります。

保管方法については、前述の通り「高温多湿・磁気・衝撃」を避けた場所に、止まったまま保管しておけば問題ありません。使うたびに愛情を込めてゼンマイを巻く、という行為そのものを楽しむのが、手巻き時計との上手な付き合い方と言えます。

ただし、毎回ゼンマイを巻く際に、少しだけ気をつけてほしいポイントがあります。それは、時刻合わせは必ずゼンマイを巻いた後に行うことです。ゼンマイがほどけて止まっている状態は、時計のパワーが最も弱い状態。その状態で針を動かすと、歯車に余計な負担がかかる可能性があるためです。まずゼンマイを巻いて時計を目覚めさせてから、優しく時刻を合わせてあげましょう。

正しい手巻き時計の巻き方とは?

正しい手巻き時計の巻き方とは?

手巻き時計の操作の基本であり、最も重要なのが「ゼンマイの巻き方」です。間違った操作は故障の原因にもなりかねないので、正しい方法をしっかりと身につけましょう。

手巻き時計・基本の巻き方ステップ

  1. リューズを優しくつまむ
    時計の側面にあるつまみ(リューズ)を、親指と人差し指の腹で優しくつまみます。
  2. 時計回りにゆっくり回す
    リューズを前方、つまり時計回りに「カリカリ」「ジリジリ」という感触を確かめながらゆっくりと回します。往復させずに、一方向に回すのが基本です。
  3. 巻き止まりでストップ!
    回していくと、だんだん抵抗が強くなり、やがてそれ以上回らなくなります。これが「巻き止まり」の合図です。この状態でゼンマイは完全に巻き上がっています。これ以上無理に力を加えると、ゼンマイが切れてしまうので、必ずそこでストップしてください。

ゼンマイを巻くタイミングは、毎朝同じ時間など、決まった時間に行うのが理想的とされています。これにより、ゼンマイのトルクが安定し、時計の精度も保たれやすくなります。

自動巻き時計のワインディングマシーンは必要か

自動巻き時計のオーナーにとって、ワインディングマシーンは便利なアイテムですが、「本当に必要なのか?」と問われると、一概には言えません。メリットとデメリットを理解した上で、ご自身のライフスタイルに合わせて判断することが大切です。

メリットデメリット
時刻合わせの手間が省ける
常に時計が動いているため、使いたい時にすぐに使える。特に複雑なカレンダー機能付きの時計では非常に便利。
部品の摩耗が進む
常に動いているということは、部品の摩耗も進むということ。オーバーホールの間隔が早まる可能性がある。
時計のコンディションを保つ
定期的に動かすことで、潤滑油の劣化や固着を防ぐ効果が期待できる。
設置スペースとコストがかかる
本体の購入費用や設置場所、電気代などのコストが発生する。
コレクションの鑑賞性が高い
時計が美しくディスプレイされ、動いている様子を楽しめる。
時計によっては巻き上げ効率が悪い
時計の巻き上げ方向(右巻き、左巻き、両巻き)とマシーンの回転設定が合わないと、十分に巻き上げられないことがある。

結論として、時計を複数本所有しており、ローテーションで使う方や、複雑機構の時計をお持ちの方にとっては、利便性を高める有用なアイテムと言えるでしょう。一方で、時計が1〜2本で、使用頻度も高い方であれば、必ずしも必須のアイテムではありません。そして、前述の通り手巻き時計には全く効果がないので、購入の際はご注意ください。

手巻き時計オーバーホールの料金相場

手巻き時計オーバーホールの料金相場

大切な手巻き時計を長く使い続けるために、絶対に欠かせないのが定期的な「オーバーホール(分解掃除)」です。これは、時計を部品単位まで分解し、洗浄、注油、調整、消耗部品の交換を行う、人間でいうところの「人間ドック」にあたります。

オーバーホールの推奨頻度は、一般的に3年〜5年に一度とされています。たとえ問題なく動いていても、内部の潤滑油は確実に劣化し、部品は摩耗していくため、予防的なメンテナンスが不可欠です。

気になる料金は、ブランドや時計の機構(複雑さ)によって大きく異なります。以下に一般的な料金相場をまとめました。

ブランド・モデル正規サービスでの料金目安時計修理専門店での料金目安
国産ブランド(セイコー、シチズンなど)20,000円 ~ 40,000円15,000円 ~ 30,000円
スイス製一般ブランド(オメガ、IWCなど)60,000円 ~ 100,000円30,000円 ~ 60,000円
高級ブランド(ロレックスなど)80,000円 ~ 150,000円40,000円 ~ 80,000円
クロノグラフなど複雑機構上記に +20,000円 ~ が目安

正規サービスは安心感が高い反面、料金は高額になる傾向があります。一方、信頼できる時計修理専門店であれば、比較的リーズナブルに質の高いサービスを受けられることもあります。どちらを選ぶにせよ、数年に一度の重要なメンテナンスですので、料金だけでなく、実績や保証内容もしっかり比較検討することが大切です。

初心者向け手巻き時計のおすすめモデル

これから手巻き時計の世界に足を踏み入れたい、という方に、歴史と信頼性があり、比較的手に入れやすい価格帯のおすすめモデルをいくつかご紹介します。最初の一本として、長く付き合える相棒を見つけてみてください。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル

「ムーンウォッチ」の愛称で知られ、人類初の月面着陸に携行された伝説的なモデルです。手巻きクロノグラフの傑作として、時計史にその名を刻んでいます。デザインの普遍性とストーリー性から、時代を超えて愛され続ける一本です。

IWC ポートフィノ・ハンドワインド

シンプルでクラシカルなデザインが魅力のドレスウォッチです。無駄を削ぎ落とした美しい文字盤と、薄型のケースは非常にエレガント。裏蓋から美しい手巻きムーブメントを鑑賞できるのも、所有する喜びを高めてくれます。

NOMOS(ノモス) タンジェント

ドイツのバウハウスデザインを継承した、ミニマルで知的なデザインが特徴のブランドです。自社製ムーブメントを搭載しながらも、優れたコストパフォーマンスを実現しており、本格機械式時計の入門機として絶大な人気を誇ります。

これらのモデルは、新品だけでなくヴィンテージ市場でも人気があり、様々な年代の個体を探す楽しみもあります。ぜひ、ご自身のスタイルに合った一本を見つけて、手巻き時計ならではの魅力を存分に味わってください。

総括!手巻き時計使わない時のポイント

総括!手巻き時計使わない時のポイント
  • 手巻き時計は毎日巻かなくてもすぐには壊れない
  • 長期間の放置は内部の潤滑油が劣化するリスクがある
  • 月に1〜2回はゼンマイを巻いて動かすことが推奨される
  • 使わない時は無理に動かし続けず止めておいて問題ない
  • 保管場所は高温多湿、直射日光、磁気を避けるのが鉄則
  • 自動巻きと違いワインディングマシーンは手巻き時計には不要
  • クォーツ時計は長期間使わない場合、電池の液漏れに注意が必要
  • 週末だけ使う場合は、その都度ゼンマイを巻いて時刻を合わせる
  • ゼンマイを巻く際は巻き止まり以上に力を加えない
  • 時刻合わせはゼンマイを巻いてから行うのが基本
  • 3年〜5年に一度のオーバーホールが時計の寿命を延ばす
  • オーバーホール料金はブランドや機構によって大きく異なる
  • 機械式時計の扱いはデリケートだが、その手間が愛着に繋がる
  • 正しい知識を持てば、手巻き時計は一生のパートナーになり得る
  • 保管方法に気を配り、定期的なメンテナンスを心がけることが最も重要

参考
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